管理会計システムのメリット・デメリット
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会社の規模が大きくなればなるほど会計業務は複雑化し、手作業で実施するのが難しくなります。
特に管理会計システムや管理会計ツールを導入することには、さまざまなメリットとデメリットがあり、導入前によく理解をしておく必要があります。
財務会計と管理会計の違い
会計は「財務会計」と「管理会計」の2種類に分かれます。
「財務会計」とは、企業外部の関係者に財務や経営の状況を開示するための会計です。法律で実施が義務付けられ、財務諸表など決められた形式の資料を通じて行われます。
管理会計は経営の判断材料
これに対し、「管理会計」はあくまで社内向けに行う会計で、経営状況の分析や人事などの施策の判断材料となります。法律上の実施義務や決められた形式はなく、役員会資料や事業計画書などとしてまとめられます。
財務会計の目的が情報開示なのに対し、管理会計は経営者が自社の状況を把握して次の戦略立案に活用するのが目的である点が大きな違いです。
管理会計の効率的な運用
管理会計は、予算や原価管理や、実績と併せて分析した「予実管理」などさまざまなデータで構成されます。規模が小さな企業であれば、エクセルなどの表計算ソフトを活用した手作業の管理会計も不可能ではありませんが、効率が悪いうえに入力ミスのリスクも伴います。
財務・経理部門の負担を抑えつつ、社内のさまざまなデータを経営戦略立案に活用できるようにするためには、管理会計システムの導入が望ましいと言えます。
管理会計システムのメリット
会計業務を効率化、見える化
管理会計システムの導入には多くのメリットがありますが、最大のメリットは管理会計業務の効率化です。
システムを導入すれば、クレジットカードや銀行口座とのデータ連携により、データの入力はもちろん仕分けも自動化されます。この結果を基にした決算表やグラフなどが自動作成され、資金繰りや予算の実行状況、収益などをリアルタイムで把握できるようになります。さらに、事業分野・セグメントごとの分析も可能です。
こうしたデータから、経営状態を客観的・定量的に判断できるようになり、経営者のスピード感のある経営判断を可能にします。またコストも明確になるため、全社的なコスト削減にもつながります。
管理会計システムのデメリット
導入には時間も
導入時、操作に慣れるまでには一定の時間がかかります。管理・分析できるデータの量が多くなるほど操作は複雑になりがちですから、十分なデータ管理と分析ができるようになるまでに時間がかかることはある程度覚悟しておく必要があります。
また導入時にはコストがかかります。インストールするタイプのツールであれば購入費用がかかりますし、クラウド型のシステムであれば継続的に利用料金を支払う必要があります。また、クラウド型システムでは、セキュリティ上のリスクが完全にないとは言い切れません。
管理会計システムを導入するには、目的を明確に
こうした管理会計の有効性や、管理会計システムのメリット・デメリットを踏まえた上で、導入を検討する際には次のようなポイントを押さえておきましょう。
まず導入の目的を明確にします。特に、自社の経営判断に必要なデータを管理・分析できるかどうかを、事前によく調べておきます。
また導入がスムーズにできるのかもよく検討しておきます。それまでの会計管理からの移行後も、移行前のデータと整合性が取れなければ、継続性のあるデータ分析が難しくなってしまいます。
また導入コストに見合うだけのメリットがあるか、使いこなすことができる人材がいるのかもよく検討しておきましょう。