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赤字事業からの撤退

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会社としての業績悪化は原因分析を行うと、特定の事業に対する投資が回収できてないという要因である場合があります。これがいわゆる赤字事業なのですが、撤退してもなくならないコストがあるなど単純に改善できない可能性もあります。

今すぐ撤退すべき事情の特徴

売上利益の改善の兆しが見られない

事業を黒字化するためには「売上を上げる」か「コストを抑える」のどちらかしかありませんが、このどちらに対してもアプローチができない場合には赤字から脱却することはできません。売上が上がる余地も全くないうえにコスト削減も見込めない状態が継続するのであれば、今後は赤字を垂れ流す状態になってしまうため、撤退判断を下すべきです。

シナジーがない

シナジーとは「相乗効果」のことです。自社内で運営している他事業と組み合わせることで高い利益を得られている場合、その事業が単独で黒字化できなかったとしても全体としては儲かっていると評価できます。複数の事業を組み合わせているからこそ高い利益を得られているのであれば事業を継続することに意義がありますが、他事業との兼ね合いも特になく赤字状況なのであれば速やかに撤退すべきでしょう。

競合他社も縮小傾向

競合他社も苦しんでおり売上規模が縮小している場合、業界全体としての需要・市場規模が落ち込んでいるということになります。その場合、生き残っている競合他社の中で競争が激しくなりますので、黒字化に向けたハードルはかなり高いものになるでしょう。一方で業界は厳しいながらに黒字が維持できている場合、業界内で自社のポジショニングを一定程度確立できているということになるでしょう。

赤字事業撤退で考えられる悪影響

さらに赤字が拡大する

事業利益の見方はさまざまであり、中には共通経費を配賦した結果赤字であるという判断もあります。しかし事業単体で見た時に利益が出ている場合、この事業を撤退してしまうと他事業が負担する共通経費負担が増えてしまいますので、全体としては赤字幅が広がってしまうことになります。したがって「どう儲かっているか」はしっかりと分析したうえで判断することが必要です。

シナジーがなくなる

他事業との組み合わせにより全体的に利益が出ている場合、単体では赤字であっても事業継続をすべきという判断になります。しかし単体で赤字という理由だけで事業撤退という判断を下してしまうと、今までのシナジーがなくなり、かえって収益が悪化してしまうおそれがあります。

従業員のモチベーションが下がる

事業撤退はやはりイメージがいいものではなく、撤退時に解雇などの人員整理が発生すると従業員のモチベーションに大きく関わってくる恐れがあります。撤退対象とならなかった事業で勤務を継続する従業員であったとしても、「赤字になったらクビを切られるおそれがある」という事実を認識することにより仕事に対するモチベーションの低下、果ては退職・離職に繋がるおそれもありますので、注意が必要です。