黒字倒産の危機!?
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商品が売れていて利益もきちんと出ているのに、当座の資金が確保できずに経営が破綻してしまうことを「黒字倒産」と言います。
黒字倒産を回避するためには、帳簿上の黒字・赤字に注目するだけでは不十分で、目の前の資金繰りとキャッシュフローを適切に管理する必要があります。
売掛が資金ショートを招く
仕入れた商品が売れて、仕入代金よりも販売価格が上回れば黒字になるというのが、単純な「儲かる」仕組みです。
しかし、商品が売れればすぐに収入になるとは限りません。特にBtoBの取引では、当日に代金が支払われない「売掛」のほうが普通で、これが資金ショートを招く原因になります。
例えば、新たに大型の受注をすれば収入増が見込めますが、同時に原材料費や賃金の支払いのための当座の資金が必要になります。代金が支払われるまでの間、こうした短期資金が確保できなければ資金がショートし、いくら大型受注で帳簿上は黒字になっていても倒産を余儀なくされてしまうのです。
黒字倒産に至ってしまう要因
上場企業でも、実際にこうした黒字倒産に至ってしまった事例もあります。黒字倒産に至ってしまうのは、いくつかの原因が考えられますが、注意すべきなのは収支を十分に管理できていないことです。資金が足りないことに気づかなければ、そもそも対応ができません。
代金後払いの掛取引が多い
代金後払いの掛取引が多いことも原因です。取引条件などによっても違いますが、まだ成長段階にある企業や、大型のプロジェクト・取引を抱える企業は、どうしても掛取引が多くなります。売掛金の回収までの期間が長いことで、黒字倒産のリスクが増します。
過剰在庫や負債増大に注意
過剰在庫も黒字倒産の要因となります。在庫は会計上は「資産」となり、売り上げとなった際に初めて仕入費が経費として計上されます。このため、在庫が増えている段階では帳簿上は黒字になることがありますが、仕入れ代金が出て行っただけの在庫は利益を生まないため、資金繰りには悪い影響を与えます。 負債が増えることも黒字倒産の要因となります。負債額が大きくなり、利息負担が利益を上回ってしまうと、黒字でも資金繰りに行き詰まることになります。
資金繰り管理の徹底を
黒字倒産を回避するために経営者がやるべきなのは、まずは資金繰りの管理を徹底することです。いつまでにいくらの入金があり、一方でいつまでにどれだけの支払いが必要になるのかをまとめた「資金繰り表」を作るのが単純で効果的な対策です。
売掛金の回収期間を短くする一方で、仕入れ代金支払いまでの期間を長くすれば、手元資金を確保しやすくなり、資金繰りは改善します。さらに在庫の滞留期間を短くしなければ、キャッシュフローの改善は見込めません。
さらには、根本的な事業計画の見直しを考えてみる必要もあるかもしれません。キャッシュフローが機能しているのであれば、事業拡大のためには大型の設備投資も有効です。しかし、利益が上がらないまま借入金を増やして投資していると、資金繰りは悪化していきます。
事業計画は適正なのか、過大な設備投資になっていないかなどを含め、専門家の助言を受けることも、黒字倒産回避には有効な一手となるでしょう。