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顧客離れを防ぐための戦略

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最初はわずかな顧客離れだったとしても、その状態を放置し続けると、顧客離れがスパイラルを起こして企業の存続を脅かしかねません。特に法人を主な取引先とする中小企業の場合、1社、2社程度から取引を解消されただけでも、事業の継続が困難となる可能性もあります。決して顧客離れを放置してはいけません。

顧客離れが起こっている企業は、顧客が離れていく本質的な原因を早急に知ることが大事。原因を特定した上で正しく分析を行い、具体的な改善策を検討・実行していきましょう。

顧客離れが進む企業のリスク

顧客離れが進めば、売上低下は避けられません。人件費を含めた固定的な費用がかかり続ける以上、売上が低下すれば連動して利益も低下することも必至です。

また、顧客離れは企業のブランド力低下を市場へイメージさせるため、さらに顧客離れが進む負のスパイラルへ入ることもあるでしょう。一度始まった府のスパイラルを止めることは容易ではありません。

大企業における顧客離れも深刻ですが、特に打撃を受けるのは中小企業。中小企業の中には、少数の顧客に依存して経営を維持しているところも少なくないため、わずかな顧客離れでも経営に大きな影響を及ぼします。

たとえば、10社程度の法人を主要取引先としている中小企業の場合、たった1社の取引解消でも会社の存亡に影響しかねません。

顧客離れが見られ始めた企業は、改めて新規顧客開拓に向けて動くしか方法がありませんが、コスト面から見れば、新規顧客開拓よりも既存顧客維持のほうが遥かに効率的です。

経営維持のためには、第一に既存顧客を逃さないことが重要。仮に顧客離れが始まった場合には、負のスパイラルに陥らないよう既存顧客を大切にすることが必要です。

顧客離れが進んでいる経営者の現状

顧客離れが進んでいる企業の経営者の多くは、多種多様な日々の業務に追われ、顧客のニーズを把握する時間を取れないことが少なくありません。中小企業の中には、経営の仕事に加え、一般従業員と一緒に現場作業へ出ているところもあるでしょう。そのような企業では、正しく顧客ニーズを把握することは困難なので、結果として顧客離れへとつながる可能性が高いでしょう。

また、顧客ニーズを把握する時間を確保できない企業では、当然ながら顧客離れの原因を分析する時間も確保できません。原因が分からなければ、対策の講じようもないでしょう。

これら多忙な企業の多くは、往々にして顧客満足度調査やフィードバック収集も不足しています。顧客満足度調査等は、顧客の生の声を聞くための大切な企業活動の1つ。生の声を聞く機会がなければ、顧客の不満や要望を知ることもありません。顧客離れが進むことは避けられないでしょう。

顧客離れが進んでいる経営者がすべきこと

顧客離れが進んでいる経営者は、何よりもまず顧客離れの原因特定を行う必要があります。原因を特定した上で、改善に向けた対策を早急に実行しましょう。

原因特定の結果、たとえば、その原因がサービスの質の低下と判明した場合には、品質管理体制の見直しやスタッフ教育などの対策を検討します。あるいは、価格競争力不足が原因ならば、コスト削減や付加価値の向上などに向けた対策を検討すると良いでしょう。顧客対応の不備が原因であれば、対応マニュアルや人員配置の見直しなどが対策として有効です。

もとより、顧客離れの原因を特定するためには、顧客の生の声へ継続的に耳を傾けなければなりません。レビューやアンケート等を通じ、常に顧客からの声を拾い続ける体制を作りましょう。

顧客からのフィードバックについては、ニーズはもとより「不満の声」も重要であることを忘れないようにしてください。

まずは顧客ニーズの把握とサービス改善を

顧客離れを防ぐためには、顧客が自社に何を求めているかを、本質的に把握しなければなりません。また、顧客が自社の何に不満を感じているのかも、しっかりと把握する必要があります。

これらを把握するために有効な方法が、顧客満足度調査やアンケートの実施。顧客からのフィードバックこそが、顧客離れを防ぐため最重視される情報源です。

顧客満足度やアンケートから得られたフィードバックについては、十分に分析の上、具体的な改善策を検討することが大事。聞きたい声だけを拾うのではなく、全ての声をフラットに並べ、客観的な視点から分析して具体的な対策を考えましょう。

また、顧客のフィードバックとあわせて重視したいポイントが、競合他社の分析です。競合他社の商品・サービスをよく分析して自社の強みや魅力を再確認し、その強み・魅力をさらに強化させることで既存のファンを守ります。もちろん、競合他社の強みを自社に取り入れる視点も忘れないようにしましょう。

長期的な顧客維持戦略を考える

顧客離れを防ぎながら、顧客との長期的な関係を維持するための戦略として、まずはロイヤルティプログラム(インセンティブ制度)の導入を検討してみましょう。

ロイヤルティプログラムとは、購入の都度ポイントを付与する仕組みや会員限定の割引等を提供する各種の特典システムのこと。通販会社やカード会社などによく見られるサービスです。

ロイヤルティプログラムを導入することで、顧客自身が自社との関係維持にメリットを感じます。逆に言えば、自社から離れていくことに顧客はデメリットを感じることにもなるため、双方の長期的な関係維持には大変有効なシステムです。関連して、リピート購入や顧客紹介をした顧客に対して特典を付与するサービスも検討してみると良いでしょう。

また、CRM(顧客関係管理)ツールを導入し、継続的に顧客と個別のコミュニケーションを取ることのできるシステム作りも有効です。顧客別で一定の情報を登録しておけば、大半のコミュニケーションは自動化されるため、特別に人手を増やす必要もありません。コストはかかりますが、ぜひCRMツールの導入を検討してみましょう。