事業融資の相談
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はじめに
中小企業が事業を拡大したり、新たな設備投資を行ったりするとき、またはキャッシュフローを改善したいときなどに必要となるのが“資金調達”です。中でも、金融機関からの融資は代表的な手段ですが、実際に「どこに・いつ・どうやって相談すればいいのか」悩む経営者の方は少なくありません。
しかし、融資相談は単にお金を借りるだけではなく、自社の経営を客観的に見直すチャンスでもあります。必要な書類や事業計画をしっかり整理する過程で、会社の収益構造やコスト管理を見直すきっかけになるからです。
本記事では、事業融資の相談をする前に押さえておきたいポイントや主な相談先、具体的な進め方などを解説します。
融資相談をする前に押さえておきたいポイント
自社の財務状況の把握
融資を受けるためには、銀行や保証協会などから「この会社なら返済できる」と判断してもらう必要があります。そのためには、自社の財務状況を正確に把握しておくことが必須です。
決算書(BS・PL)の読み方
貸借対照表(BS)・損益計算書(PL)・キャッシュフロー計算書などを、経営者自身が理解しているか確認しましょう。
最新の試算表や資金繰り表
年1回の決算書だけでなく、月次ベースでの試算表やキャッシュフロー計画を用意すると、金融機関や専門家にも好印象です。
融資目的の明確化
「何のために、いくら必要なのか」を明確にしましょう。設備投資、運転資金、事業拡大など、融資の用途を整理しておくと、金融機関との交渉がスムーズになります。
- 設備投資
新規店舗・工場の開設や、機械の購入など。
- 運転資金
売上から入金があるまでのタイムラグを補うための資金繰り。
- 新規事業への投資
新しいサービスや製品を立ち上げる際の初期費用など。
返済計画を立てる
借りたお金は、当然ながら返済しなければなりません。返済の見通しをシミュレーションし、融資後のキャッシュフローを予測しておくことが重要です。
将来の利益計画
売上予測やコスト構造を踏まえて、どの程度の期間で返済できるかを試算。
管理会計ツールの活用
自社の数値をタイムリーに把握し、利益や資金の流れを適宜見直せば、返済リスクを低減できます。
どこに相談できる? 主な相談先の種類
取引銀行・地方銀行・信用金庫など
既にメインバンクがある場合は、まずはその銀行に相談してみましょう。地銀や信用金庫は地域経済に密着しているため、地域特有の事情を踏まえてサポートしてくれることがあります。
メリット
- 取引実績が長いほど、会社の状況を理解してもらいやすい
- 担保や保証人に関する交渉が進めやすいケースあり
デメリット
- 同じ銀行だけに相談すると提案が限られる可能性
日本政策金融公庫・公的機関
中小企業向けに、低金利での融資制度を提供している公的機関が存在します。代表例が日本政策金融公庫です。地方自治体の制度融資も検討の余地があります。
メリット
- 条件が比較的優遇されていることが多い
- 開業間もない企業でも利用できる可能性
デメリット
- 審査に時間がかかる場合がある
専門家(税理士・公認会計士・経営コンサルタントなど)
「自社の財務状況を整理したい」「事業計画書の精度を高めたい」という場合、経営・財務の専門家に早めに相談するのが賢明です。税理士や公認会計士は、決算やキャッシュフロー、事業計画策定など融資に必要な実務をサポートしてくれます。
メリット
- 経営改善や利益体質強化も含めた総合アドバイスを受けられる
- 金融機関との交渉ノウハウが豊富な場合がある
デメリット
- 報酬が発生する(ただし専門家のサポートがあれば融資成功率が上がり、結果的にお得な場合も)
商工会議所・商工会などの無料相談窓口
初期段階の融資相談なら、地域の商工会議所や商工会なども選択肢に入ります。無料で経営相談を行っているところが多く、専門家とのマッチングを支援してくれる場合もあります。
メリット
- 相談費用がかからない
- 地域の行政支援策を教えてもらいやすい
デメリット
- 細かい施策の実行・伴走支援までは難しいことが多い
相談・準備の具体的ステップ
経営数値・必要書類の整理
融資審査には、決算書や試算表、事業計画書、資金繰り表などが必要です。書類が整っていないと、審査自体がスムーズに進まず融資が遅れる原因にもなります。
事業計画の作成・ブラッシュアップ
融資目的が「新たな設備投資」や「新規事業」であれば、その計画の合理性や具体性が審査のカギを握ります。マーケット分析や売上予測の根拠をしっかり示すことで、金融機関の信頼度がアップします。
専門家の意見を取り入れる
融資審査に通るための書類作成やプレゼンは、専門家のアドバイスがあると格段に質が向上します。税理士・公認会計士などは金融機関とのやり取りに精通しており、書類不備や計画の甘さを事前に指摘してくれます。
金融機関との面談・交渉
書類が揃ったら、いよいよ金融機関との面談です。事業の強みや将来性をしっかり説明し、融資の必要性・返済可能性をアピールしましょう。相手が気にするポイント(返済確度や会社の信頼性)を明確に示すことが大切です。
「融資が通りづらい…」というときの選択肢
経営改善策の見直し
利益体質の弱さや過大なコスト構造が原因で融資を断られるケースもあります。まずは在庫や固定費の見直しなど、内部改善を行ってから再チャレンジすることで審査が通りやすくなる場合があります。
セーフティネット保証や地方自治体の制度融資
災害や取引先の倒産など、特定の条件下で活用できるセーフティネット保証制度、地方自治体の信用保証協会を通じた低利融資などもチェックしてみてください。事前に専門家に相談することで、使える制度を効率的に探せます。
ファクタリングなど他の資金調達方法
売掛金を資金化するファクタリングや、投資家から出資を受けるエクイティファイナンスなど、融資以外の選択肢も考えられます。状況によっては銀行借入だけに頼らない方法を組み合わせるのも手です。
まとめ:早めの相談で経営の余裕を確保しよう
事業融資は「お金が足りなくなったから急いで借りる」ものと思われがちですが、本来は将来を見据えた計画的な手段であり、経営者として押さえるべきポイントも多岐にわたります。
- 財務状況の正確な把握
- 融資目的の明確化
- 返済計画のシミュレーション
- 専門家との連携
これらを早めに行うことで、金融機関からも信頼されやすくなり、不測の事態にも柔軟に対応できる“経営の余裕”を確保することができます。
危機的状況に追い込まれてからの融資相談は、経営者にとっても金融機関にとっても負担が大きいもの。できるだけ余裕のあるうちに相談先を確保しておくのが得策です。
もし融資の必要性を感じたり、融資申請に伴う経営改善や利益体質強化をお考えの場合は、ぜひ当サイト監修者の株式会社KMSなど、経営と財務の両面からサポートできる専門家に相談してみましょう。早期に行動を起こすことで、より良い条件で融資を受けられる可能性が高まります。